大企業や複数拠点を持つ企業では、会議室予約システムを単純な「予約ツール」として選ぶと、導入後に運用が立ち行かなくなる可能性があります。 拠点や部署ごとに異なる予約ルール、役員会議室の利用制限、備品や社用車の管理など、既存の運用をどこまで再現できるかが重要です。
選定時に重視するポイントは、担当部門によって異なります。総務担当者は、予約のしやすさや空予約対策、拠点ごとの管理負担を確認する必要があります。一方、情シス担当者は、既存システムからの移行、SSOや人事データとの連携、複雑な権限設定への対応を確認しなければなりません。
本記事では、総務・情シスの両方の視点から、大企業・多拠点向けの会議室予約システムを選ぶ際に確認したい条件を解説します。
会議室が数室の企業と、全国の拠点に数百の会議室を持つ企業では、必要な管理機能が異なります。 大規模運用では、会議室の予約だけでなく、拠点ごとの管理権限や組織別の利用制限、備品・座席・社用車などを含めたリソース管理も必要になるためです。
一般的なパッケージの仕様に自社の運用を合わせようとすると、現場の予約方法が大きく変わったり、例外対応を情シスが手作業で処理したりする事態になりかねません。 自社の規模と既存ルールにシステムを合わせられるかという視点で比較しましょう。
大企業では、全社員がすべての会議室を同じ条件で利用できるとは限りません。 「役員会議室は対象部署のみ」「特定期間は経理部が優先」「重要な設備は承認後に予約確定」など、独自のルールが設けられているケースがあります。
部署・役職・拠点ごとに利用権限を設定できるか、代理予約や承認フロー、先行予約、予約可能期間などを調整できるか確認しましょう。 現在のルールを捨てずにシステムへ反映できる柔軟性が、導入後の混乱を防ぎます。
自社開発システムや長年利用してきた予約システムから入れ替える場合は、機能比較だけでなく移行方法の確認が欠かせません。 利用者・組織・拠点・会議室などのマスターデータを移行できるか、既存の端末や認証基盤を活用できるかを確認します。
製品を導入できるかではなく、既存環境から業務を止めずに切り替えられるかまで確認することが重要です。
管理対象が多い場合は、会議室数や利用者数の上限だけでなく、複数拠点を一つの画面で管理できるかを確認しましょう。 拠点・建物・フロア単位で絞り込める機能や、フロアマップから空き状況を確認できる機能があると、利用者も目的の会議室を探しやすくなります。
また、モニターやプロジェクターなどの備品、フリーアドレス席、社用車まで一元管理できれば、用途ごとに複数の管理システムを使い分ける必要がありません。 管理対象の追加によって料金や情シスの作業量がどの程度増えるかも確認しておきましょう。
会議室が足りないように見えても、実際には予約されたまま利用されていない「空予約」が原因になっていることがあります。 社員への注意喚起だけでは改善が続かないため、チェックインや自動キャンセル、リマインダーなどの機能が必要です。
Web、スマートフォン、二次元コード、部屋前端末など、自社に合った方法でチェックインできるかも確認しましょう。 さらに、予約数ではなく実際の利用状況を記録し、会議室・拠点・組織別に分析できるかも重要な比較ポイントです。
多拠点運用では、本社の管理者だけですべてを管理すると負担が集中します。 全体を管理する担当者と、各拠点の会議室だけを管理する担当者を分けられるシステムであれば、統制を維持しながら管理業務を分散できます。
あわせて、シングルサインオン、IPアドレス制限、操作ログ、非公開予約、組織別のアクセス制御などが、自社のセキュリティポリシーに適合するか確認しましょう。
候補製品へ問い合わせる前に、次の内容を要件として整理しておくと比較しやすくなります。
会議室予約システムは、管理する室数が増えるほど、拠点をまたいだ検索や権限管理、マスターデータの更新などが複雑になります。ただし、大企業向けかどうかは室数だけでは決まりません。拠点数や管理対象、予約ルールも含めて判断しましょう。
本サイトでは、料金や必要機能を比較しやすくするため、管理する会議室数を次のように区分しています。
▼横にスクロールできます▼
| 管理規模 | 想定される運用 | 重視したいポイント |
|---|---|---|
| 小規模:1~9室 | 単一拠点でのシンプルな予約管理 | 操作の分かりやすさ、導入のしやすさ、初期費用 |
| 中規模:10~29室 | 複数部署・複数フロアでの管理 | 空予約対策、カレンダー連携、部署別の利用権限 |
| 大規模:30~99室 | 複数フロアや複数拠点をまたいだ管理 | 一括登録、拠点管理者、利用分析、備品管理 |
| 大規模・多拠点:100室以上 | 複数拠点・グループ会社を含む全社的な管理 | 複雑な予約ルール、SSO、データ移行、組織別権限、リソースの一元管理 |
※上記は当サイトが比較のために設定した区分です。実際に必要な機能は、拠点数や組織構成、予約ルールによって異なります。
会議室予約システムには、室数、ID数、座席数、利用機能など、異なる課金方式があります。100室を管理する場合でも、どの項目に対して料金が発生するかによって総額は大きく変わります。
月額料金だけでなく、端末、外部システム連携、データ移行、カスタマイズなどを含めた年間総額で比較しましょう。
▼横にスクロールできます▼
| 料金体系 | 100室導入時の考え方 | 確認事項 |
|---|---|---|
| 1室ごとの従量課金 | 1室あたりの料金×100室 | 室数追加時の単価、最低契約室数 |
| 室数帯ごとの定額制 | 100室を含むプラン料金+必要なオプション | プラン上限、上限超過時の追加料金 |
| ID数による課金 | 1IDあたりの料金×登録利用者数 | 全社員を登録するか、利用者だけを登録するか |
| 座席・端末・機能による課金 | 必要な座席数・端末数・オプションから算出 | 会議室管理が標準機能かオプションか |
自社の従業員やグループ会社が利用する社内向けシステムを調査しました(2026年10月6日時点)。公式サイトで会議室数または施設数に応じた具体的な料金を確認でき、特定のグループウェア契約を必須とせず利用できる社内向けシステムを選定しています。Microsoft 365やExchange Onlineなど、特定の環境との連携を前提とするシステムや、具体的な金額が公開されていないシステムは除外しています。
▼横にスクロールできます▼
| システム名 | 小規模 1~9室 例:9室の場合 |
中規模 10~29室 例:20室の場合 |
大規模 30~99室 例:50・80室の場合 |
大規模・多拠点 100室以上 例:100室の場合 |
料金の条件・サービスの特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| BRoomHubs | 要問い合わせ ※公開プランは31室から |
要問い合わせ ※公開プランは31室から |
50室:150,000円 80室:150,000円 |
150,000円 ※部屋端末機能を含む公式構成例は170,000円 |
Basicプラン:31~150室まで月額150,000円 Standardプラン:151~250室まで月額280,000円 Enterpriseプラン:251~500室まで月額480,000円 ※部屋端末、ワークフロー、フロアマップなどはオプション料金が加算される場合があります。 |
| RICOH Spaces | 36,000円 | 80,000円 | 50室:200,000円 80室:320,000円 |
400,000円 | 1室あたり月額4,000円(税別)。新規申込時はスタートパック5,000円が必要。Microsoft 365・Google Workspace連携、座席・受付・駐車場管理にも対応。 |
| ラクネコRoom | 27,000円 | 60,000円 | 50室:要問い合わせ 80室:要問い合わせ |
要問い合わせ | 初期費用0円、税別。31室以上は要問い合わせ。会議室前のiPad表示、カレンダー連携、空予約の自動解放、備品予約などに対応。 |
| touch-mee | 31,500円 | 70,000円 | 50室:175,000円 80室:280,000円 |
350,000円 | 1室あたり月額3,500円。初期費用0円、NFCシート10枚無料。スマートフォンやPCからのチェックイン、自動キャンセル、利用状況の記録に対応。 |
※BRoomHubsとtouch-meeは、公式料金ページに消費税区分の記載がないため、見積もり時にご確認ください。
※貸し会議室やレンタルスペースなど、外部顧客から予約を受け付けることを主目的としたサービスは比較対象から除外しています。
※料金は原則として月額です。初期費用、端末代、設置費用、連携費用、オプション費用などが別途必要になる場合があります。税込・税別の表記は各社の公式サイトに準じています。
ここでは、施設数を基準とした定額プランを採用するBRoomHubsについて、100室を管理する場合の料金例を紹介します。Basicプランは31~150室まで月額固定のため、同じプランの範囲内であれば施設数が増えても基本料金は変わりません。
| 管理する施設数 | 100室 |
|---|---|
| 基本プラン | Basic:150,000円/月 |
| オプション | 部屋端末機能:20,000円/月 チェックイン管理機能:付帯 |
| 月額合計 | 170,000円/月 |
151~250室はStandardプラン(月額280,000円)、251~500室はEnterpriseプラン(月額480,000円)が目安です。大規模・多拠点で比較する際は、施設数だけでなく、部屋端末やワークフロー、フロアマップなどのオプションを含めた総額を確認しましょう。
※上記はBRoomHubs公式料金ページに掲載されている構成例です。必要な機能や導入条件によって料金は異なります。消費税区分は見積もり時にご確認ください。
参照元:BRoomHubs公式HP https://broomhubs.com/price/
料金だけでなく導入要件も確認
会議室予約システムおすすめ3選を見る
明確な定義はありませんが、本サイトでは100室以上を「大規模・多拠点」の比較区分としています。ただし、100室未満でも、複数拠点やグループ会社をまたいだ管理、複雑な権限設定が必要な場合は、大企業向けの機能が必要です。
1室あたりの料金だけでなく、100室を含むプランの月額料金、上限超過時の追加料金、利用ID数、端末、連携機能、データ移行などを含めた総額を比較します。
利用者数が多い企業では、室数課金や一定室数まで定額となる料金体系のほうが、利用者の増加による費用変動を抑えやすくなります。ただし、必要な機能やプラン上限を含めて判断する必要があります。
全拠点を一つの画面で管理できることに加え、拠点管理者の設定、組織別の利用権限、先行予約、承認フロー、表示範囲を分けられるか確認しましょう。
会議室・利用者・組織などのマスターデータを移行できるか、既存の認証基盤や端末を利用できるか、拠点ごとに段階移行できるかを確認します。
カレンダーとの連携を優先する場合と、会議室だけをシンプルに予約したい場合、複雑な既存環境から移行したい場合では、適したシステムが異なります。
なかでも大企業・多拠点で、独自の権限や承認ルールを維持したい企業は、柔軟な設定やカスタマイズ性を重点的に確認しましょう。 比較表に掲載しているBRoomHubsは、会議室だけでなく、他拠点の会議室、座席、備品、社用車などをまとめて管理でき、組織別の利用制限や拠点管理者の設定、承認型予約にも対応しています。
さらに、チェックイン・自動キャンセルによる空予約対策や利用実績の分析も可能です。 自社開発システムからの入れ替えや、複雑な運用ルールを引き継ぎたい企業は、比較表で詳しい特徴を確認してみてください。
複雑な自社ルールを引き継ぎたい
既存環境からスムーズに移行したい
Google等のカレンダーと一体運用
予約方法を変えずに利用したい
会議室だけ予約できればいい
シンプルに始めたい